電験三種合格のための戦略

2.電験三種合格のための戦略

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仕事をしながら限られた時間で合格率8%程度の難関資格を取得するためには、どうしたら良いのか?

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ご自身の目標は何でしょうか?「電験三種に合格する事」ですね。もしも「電験三種に満点で合格する。」や「電気の事を深く広く知りたい。」や「電気主任者の実務的な仕事内容を知りたい。」という目標を持たれているのであれば、電験三種合格道場は相応しくないと思います。第一に「電験三種に合格して免状を手に入れる!」を目標にし、「もっともっと電気の事を知りたい」や「実務的な事を知りたい」という目標は後回しにする事をおすすめします。
では、電験三種に合格するための戦略として・・・まずは、合格基準点の確認からです!

 

電験三種の合格点は4科目とも60点です。しかし、その年の試験結果が考慮され科目ごとに「合格点の調整」があります。

問題が難しく平均点が下がった場合は、合格基準点が下がり55点になります。

問題が易しく平均点が上がった場合は、合格基準点が上がり65点に・・・とはなりません。

どれだけ平均点が良くても、合格基準点が60点を超える事はありません。

 

このように科目ごとに60点という合格基準点が設けられていますが、毎年結果を考慮し「調整」が入ります。

過去10年の科目ごとの合格基準点の平均は・・・

理論 55点 / 機械 54点 / 電力 56点 / 法規54点

 

このようになっています。正式な合格基準点は各科目「60点」ですが、毎年調整が入り「55点」くらいになっています。

単純に考えて、100点を目指す学習時間と60点を目指す学習時間では、60点を目指す学習時間の方が「短い」でしょう。4科目合格するためには最低でも1000時間の学習が必要と言われています。これまでの学習経験や、復習の時間も含めるともっと多くの学習時間が必要となるでしょう。

目標である「電験三種合格」のためには、第一目標として「早く合格基準点を超える」学習を意識する事が大切です。

 

そのためには、過去問を分析し「毎年出題される知識」と「稀に出題される知識」を知る必要があります。そして、「習得しやすい知識」と「習得しにくい知識」も知る必要があります。この内容はこの後ご紹介します!

 

まずは学習の進めかたをイメージしましょう!
良く出題される知識、習得しやすい知識、他の知識を習得する時に役に立つ知識、これらを優先的に学習すると効率良く「最速で合格点」に届く学習が可能です。

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「当たり前」と思うかも知れませんが、常に意識しておきましょう。どうしても「この単元のここが分からない。すごく気になる。」「この単元が苦手だ・・・もっと勉強しなければ!」との思いから、「あまり出ない知識」や「理解が難しい知識」や「すごーーーく細かな知識」にこだわってしまうことがあります。合格を意識すればするほど「何でも知ってなきゃ!」と思ってしまいます。
しかし、合格を目指すのであれば「学習する知識の優先順位」をしっかり把握し、意識することが大切です。

電気に関する知識を知りたい気持ちも分かりますが、まずは一番の目標である「合格」を意識した学習をしましょう。電気に関する知識を習得するのは、電験三種合格後でもできる事です。

 

戦略その1. 電験三種の4つの「科目」を知る

電験三種には、理論・機械・電力・法規の4科目があります。4科目の特徴を知りどう攻略するのかがポイントになります。ざっくり4つの科目をまとめてみると・・・

科目学習時間特徴過去10年
科目別合格率
理論300時間計算問題多数。公式が多い。応用力が問われる。

目に見えない事を理解しなければならない。

電気以外の知識として数学力が問われる。

機械、電力、法規の基礎となる知識が多い。

平均:16.7%

最高:19.6%

最低:11.9%

機械300時間範囲が非常に広い。

機械の「動き」をイメージすることが難しい。

公式、用語、仕組など、理解する事や暗記事項が多い。

平均:16.2%

最高:24.3%

最低:10.0%

電力150時間暗記事項多数。定番の計算問題が出題される。

電気を作る、送る、配る、使うための知識。

馴染みのある事と無い事の差が大きい。

平均:17.10%

最高:25.1%

最低:12.4%

法規150時間暗記事項多数。法律に関する知識。

定番の計算問題が出題される。

法律で定められた数値を正確に覚える必要がある。

平均:15.3%

最高:28.3%

最低: 9.6%

科目のイメージはこんなかんじです。科目ごとの合格率でさえ20%未満です。その年によって科目合格率が高いいわゆる「当たり年」もありますが、極端に難しくなる「外れ年」もあります。法規はその差がとても激しいですが、理論は差があまりありません。つまり、理論はしっかり学習をすれば合格できる科目であることがわかります。

 

科目別攻略

その前に・・・「基本」からですね。

電気の基礎知識

言葉に慣れる必要があります。電験三種合格のための学習では専門用語が多数出てきます。第一種・第二種電気工事士で学習する内容に関しては、説明がサラッとしか出てこない事が多いです。また、「電気」という大きな範囲で見たとき、基本中のキホンとなる専門用語は知っているという前提で解説が進んでいく事もあります。
例えば、「ビジネス英会話を学ぼう」という講座があったとすると、「では、はじめはアルファベットの書き方から学習します。」とはならないでしょう。アルファベットは知っているという前提で、文法や単語、使う場面などの知識を習得していきます。
第二種・第一種電気工事士、の次のステップとして位置づけられている電験三種は、電気工事士の知識をある程度知っている前提でテキストの作成や講義が進められます。
合格率8%程度しかない国家資格ですから、ある程度電気の事を知っている・学習したことがある方を対象としている事を意識した対策が必要です。
電気の学習をした事がない方、電気関連の仕事をしていない方、学生時代に電気に関するカリキュラムをこなしていない方は、まずは「電気の知識に慣れる」という事で「第二種・第一種電気工事士」の学習から始めることが多いようです。

「急がば回れ」というコトワザに倣っているワケですね。

 

数学の知識

電験三種には計算問題が出題されます。問題文から答えまでの流れを理解し、公式を駆使して式を作ります。そして、作った式を解き正しい答えを導かなければなりません。この「式を解く」ことは、「電気」の専門知識ではなく、一般的な数学の知識となります。
電気の知識を理解するために必要なことに特化した数学として、「電気数学」という科目でひとまとめにしているテキストや講義もあります。
数学に関しては、学生時代の経験の差や、普段の生活・仕事の中での使用頻度の差が大きくでてきます。知っている事、知らない事、苦手な事、忘れてしまった事、そもそも学習をした経験のない事と、個人差の出る分野です。
そして、知識はあっても使い方が難しい事があります。分数の計算だけならできる。平方根の計算ならできる。でも、平方根のなかに分数があったら・・・分からなくなってしまう。このように色々なことが混ざってしまうと対処できなくなる事も多くなります。どれだけ計算をしてきたかという経験の差が出るところです。
初めに基本知識の学習をしておく。電気の学習をしながら、計算できなかった分野を再確認する。といったように進めていくと効率良く数学力を身に付けていくことができるでしょう。

計算を繰り返しながら「計算力・数学力」を高めていくと効果的に学習をすすめられるでしょう。

 

では、いよいよ電験三種の4科目の攻略です。

理論を攻略!

一番初めに学習をしたい科目であり、一番初めにしっかり理解したい科目

・計算問題が多数出題され、数学力(計算力)が必要

・理論で学習する「直流回路、単相・三相交流回路」は、機械・電力・法規に含まれる

・「電界、磁界」の項目は、計算問題だけではなく知識が問われる問題(論説問題)も出題される

直流回路、単相・三相交流回路、電界、磁界は、毎年複数出題される。この4項目だけで60点(合格点)を超える点数があります。
必要な知識や公式は比較的少なくて済むが、その分応用力が問われる問題が多くなっています。
電子工学の項目は、学習経験のある方や仕事などで知識がある方以外は、深入りしすぎない方が良い項目です。まずは軽い学習でおさえておき、時間があればしっかり学習をすると良いでしょう。全体的に、目に見えないものをイメージしながら学ぶ事が多くなっています。

 

機械を攻略!

範囲が広く学ぶ事が多い(旧試験制度での2科目が1科目にまとまったのが現在の機械科目)

・計算問題、論説問題、どちらも十分な対策が必要

・常に出題される「直流機、交流器、同期機、変圧器」の4項目をおさえる

・出題されない知識も多いので、分析と対策が重要

まずは毎年必ず出題される「直流機、交流器、同期機、変圧器」の4項目を優先的に学習する必要があります。出題傾向は、計算問題なのか論説問題なのかはその年によるので、どちらも対策が必要となります。学習経験がない方や、普段の仕事で慣れていない方にはイメージがしにくい分野でもあるので、何度も繰り返して自分なりの理解が必要となってきます。
他の分野は得意不得意や学習経験の差が出る分野です。効率良く学習を進めるためには、得点できるようになる分野と、得点できないかもしれないが一応押さえておく分野の見極めが大切です。また、前年までの出題傾向から、出るか出ないかの判断をしヤマをはるのも良いかもしれません。

 

電力を攻略!

・電気を作るところから、電気を使うところまでが問われる科目

・計算問題は、定番のパターンがあるので必ず得点できるようにしよう

・暗記事項は、電力の科目全体をイメージしながら、どの部分の知識なのかを意識しよう

 

比較的対策が立てやすい科目です。計算問題で問われる知識は定番化されています。過去問を繰り返す事で得点できるようになるでしょう。
論説問題は、理解を深めるための机に向かっての学習と、忘れないための隙間時間を利用した学習にわけていくと効率良く学習ができます。集中できる時は理解を深める、少しでも時間があれば忘れないための復習をしていく。繰り返す事が必要な暗記事項への対策は常に意識しておきましょう。

 

法規を攻略!

・決まり事を学ぶ科目なので、とにかく覚える事が必要

・計算問題は、定番のパターンがあるので必ず得点できるようにしよう

・暗記事項を全て覚える事は難しいので、出題傾向の高いものを中心に理解していく

試験の時間と問題数が、他の3科目よりも少ない科目です。法律や法令に関する暗記事項が問われる問題が多数出題されますが、定番の計算問題も出題されます。
膨大な法律や法令を全て覚えるのは難しいので、まずは定番の計算問題が解けるようになる事が合格への近道です。
法律や法令は、過去問で出題された条文及びその条文の前後を押さえておくと効率のよい学習ができます。テキストで一通りイメージを掴んだ後は、過去問を中心に出題されやすい問題に関する知識を身につけていきましょう。また忘れないためにも、空き時間を使った復習も意識しておくと良いでしょう。法令で定められた数値は覚えにくいことなので、何度も繰り返して覚えるようにしましょう!

 

どんな科目から?どんな科目を今年受ける?

最終的には「理論、機械、電力、法規の4科目」に合格しなければなりません。しかし、合格までの過程は人それぞれです。初めの科目合格から3年以内に残りの科目に合格すれば良いのですから、1年計画、2年計画、3年計画・・・と、合格までの目標をたてる事が大切です。

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1年で合格を目指す方に多いパターンです。電気の学習の経験がある方や、十分な学習時間がある方が対象となります。前半に理論や機械の「理解」しなければならない科目の学習をすすめます。「時間の余裕のある時期にしっかり確実に理解しよう!」ということです。後半は電力や法規の「暗記」しなければならない科目の学習です。試験前に覚えてしまえば、復習の時間も減らせて効率が良くなります。直前に学んだことは、あまたに残りやすいですし。
ただし、1年で4科目合格を目指す場合、「電気の基礎知識」「数学力」「学習時間」の3つが揃わないと難しいです。

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科目合格留保制度を利用し、2年で4科目の合格を目指すパターンです。電気の学習の経験が浅い方や、学習時間の確保が難しい方が使うパターンですね。あまり学習時間を取れない「働きながら資格取得を目指す」方や、はじめて電気の事を学習する方、だーいぶ昔に電気の事を学習したけど・・・という方の、科目合格留保制度を利用した合格パターンです。
1年目に理解する事が多い理論と暗記が多い電力、2年目に機械と法規、バランス良く科目を配分したパターンです。2年計画で学習を進める方に多いパターンです。

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これは、不動弘幸先生の電験三種合格道場の受講生の中から「電験三種に合格した方」を対象としたアンケートから「よくあるパターン」をまとめたものです。あなたの目標と学習計画を元に、こういう予定を作ってみてください。
こんな感じに学習の初めから合格までの流れをつくっておくと良いでしょう。途中で計画が違ってくることもあるでしょうけど、目に見える形にする事でモチベーションの維持や学習状況の把握、しなければならない事の判断ができるようになります。
闇雲に学習して合格できるほど、合格率8%程度の国家試験は甘くありません。合格までの計画を明確にすることで、効率良く合格を手にする事ができます!

 

学習時間の確保

電験三種の情報を調べていると勉強時間に関しては、色々と見解があると思います。

「仕事が終わって家に帰り用事を済ませて寝るまでの時間で学習を!」

「朝、1時間早く起きて学習をする!」とか

「休日にまとめて12時間勉強する!」などなど

人それぞれ、色々な思いを巡らせると思います。

なかには、「えー、そんなに勉強できない・・・。」と思う人もいるでしょう。

 

自分で勉強時間を確保できる人は、がんばってください!でも、自信がない方はこんな考え方をしてみましょう。

1.集中して学習をする時間と、復習をする為の時間にわける

新しい事を学ぶ時、計算問題のような手を動かす(書く)時は、机に向かって集中をする。

一度学習したことの復習や、暗記事項を確認する時は、空き時間を活用する。

毎日机に向かって集中できる時間がどのくらいあるのか?意外と少ないかもしれません。でも、空き時間も活用したらいかがでしょうか?学習時間が増えてくると思います。しかし、通勤電車の中で立ちながら計算式を解くのは・・・難しそうですよね?会社の昼休みに、テキストとノートを広げるのも・・・難しいかもしれません。

状況と学習内容を上手く組み合わせていけば、効率良く学習を進める事ができます。

 

2.意外と身近にある空き時間

通勤時間、移動中、休憩時間、昼休み、頼んだメニューが出てくるまで、テレビのCM中、電車が来るのを待っている時などなど、普段の生活の中に「隙間時間」は結構あります。暗記事項の確認や復習は、こういった空き時間を活用する事ができます。ぼーっとしていたり、スマフォを取り出したり・・・ではなく、テキストを広げてみてはいかがでしょうか?

こういった小さな積み重ねが合格へと繋がっていきます。

 

3.できる目標を立てていく

「今日から毎日3時間勉強してください。休日は8時間です。」といわれるとどう思いますか?「うわぁ、無理・・・。」と思ってしまいませんか?

いきなり大きな目標を実行しようとすると、そのハードルの高さに参ってしまいます。「今日から毎日腹筋100回やってください。」と言われても、普段から体を鍛えている人以外には難しいのではないでしょうか?でも、「まずは腹筋10回してみましょう。」「できるようになったら、15回、20回と回数を増やしてください。」「最終的に100回できるようになってみましょう!」「毎日しなくてもいいですよ、まずは週5回からチャレンジしてください。」といったように、徐々に目標を上げていくといかがでしょうか?

目標に対する達成感と、できるという自信がついていきます。

 

まずは1日1時間くらいで、基礎学習。1週間に5日程度。

次は、1日2時間くらいで、理論の学習。1週間に6日のペース。

そして…

 

といったペースで自分の目標と内容を決めて目標を達成しながら学習を進めてみると良いでしょう。

 

4.学習のメリハリ

「毎日しっかりじっくりみっちり学習をする!」というのは、大変そうです。仕事が忙しくて疲れたという日もあるでしょう。そういう日は「1ページだけ」でも「10分だけ」でも学習をしてみてください。集中できない時、気の乗らない時に学習をしても効果は薄いです。復習を中心とした学習を少しで良いのでやってみましょう!
受講生の中には「疲れた日はDVDを見るだけにしておこう。不動先生の話を聞くだけで復習になるから~。」という方もいましたね。電気の専門用語や、よく使う単語など、「聞く」事で「慣れる」という効果もあります。英会話でも「聞いて学ぶ」という方法があるように、電験三種でも聞いて学ぶ事は大切なのかもしれませんね。

 

難関資格である電験三種に短時間で効率良く合格するためには「戦略」が必要となります。

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